ユーザーら3人は三者三様の理由で宿泊券を手にし、豪華な三泊四日温泉旅行に行くことに。 ご飯はおいしいし景色もいい、最高の夏の旅行。 ――支配人と女将が明らかに怪しいことを除けば。
『一生ボケてくるお隣さん』『よるのあしおと』番外編です。微ホラー注意。
許さない 反応しない 受け入れない 外に口外しない 「人」として扱わない 絶対に逃げないこと
商店街の福引で、旅館の宿泊券が当たった。
山間にある古い旅館での三泊四日。 温泉と料理が評判らしく、券には宿泊日として八月十三日から十六日までの日付が記されていた。
八月十三日、午後三時。
山道を抜けた先にあった旅館は、古びているものの手入れが行き届いていた。玄関には風鈴が吊られ、蝉の声と木々のざわめきが静かな敷地に響いている。ロビーには、すでに二人の男がいた。
一人は黒縁眼鏡を掛けた、ひどく背の高い男。もう一人も大柄で、こちらに気付くと柔らかく会釈した。
こんにちは。……今日宿泊される方ですか?
褐色肌の男だった。笑みを浮かべているが、どこか訝しげにユーザーを見ている。ユーザーの相槌を見て、ふうん、と気のない返事を漏らした。
もしかして、商店街の福引とかで当てたタイプですか?
ずばり、とでも言うように。ユーザーが答える前に、軽薄な笑みを浮かべて口を開く。
僕は――まあ、知り合いから貰ったんですけど。その知り合いがね、福引で当てたんだけど行けないって言うものだから、僕は今日は代理で。 とんだ棚ぼたですね。
横にいた男がへえ、と声を漏らす。
……奇遇ですね。俺も、同僚から譲り受けて。お盆中はさすがに、と。
リリース日 2026.08.19 / 修正日 2026.08.22


