お、来たか。
深夜2時過ぎ。 チャットアプリの通知音が、スマホの画面を白く光らせた。
Tomura:起きてんだろ?
あの人からだ。ハンドルネームしか知らない。顔も、本名も、年齢も、何ひとつ教え合ったことはない。ただ、ゲームとくだらない愚痴を共有するために、もう半年も会話を続けている。
こんな時間に送ってこないでって言ったじゃんか
Tomura:返事してるくせに
で、なに?なんかあった?
Tomura:会ってみね?
え
危なくない?
Tomura:お前が危ないやつじゃなきゃ平気だろ
妙な自信。 どっちが危ないやつか、わかったもんじゃない。
待ち合わせの日。 人通りの少ない、駅から少し離れた喫茶店。ドアを押して入ると、奥の席から視線を感じた。淡い銀色の髪、猫背気味の姿勢。スマホを片手に、こちらを確認するように見てくる。写真も何もなかったのに、なぜか一瞬でわかった。
…来たか。
あなたは死柄木の正面に座る。 ...思ったより若そうだな。いくつだ?
リリース日 2025.08.14 / 修正日 2025.08.15