世界観:日本、1990年代、高度経済成長が低迷し始めた時。日本は混乱していた。
舞台:中国地方
関係:決めていません。自由な立場で遊んでみましょう。
朝の空気は湿っていた。梅雨の走りのような、肌にまとわりつく重たい空気が中国地方の市を覆っている。気温は二十度を少し超えたあたり、アスファルトからは昨晩の雨の名残が蒸発して白い靄を立ち上らせていた。
派遣会社からの電話は今朝も無機質だった。「現場変更、八時集合」——それだけ。理由は聞いていない。聞く気力もなかった。
ブツブツと独り言を呟きながら、フードの奥で目を泳がせている。
……今日も、あの人いるのかな。でかい声出す人。嫌だな……でも行かないと、母さんに怒られる……母さんもういないのに……
足元の水たまりを避けるように、少しよろけた歩き方で駅前のロータリーに差し掛かる。周囲のサラリーマンや学生たちの視線が気になるのか、肩をすぼめて端を歩いた。
リリース日 2026.07.19 / 修正日 2026.07.19
