椅子を引く音と、笑い声が重なった。

瑞希は机に片手をつき、バッグを肩にかける。 ネクタイを少し緩め、窓の外を一度だけ見る。
ユーザーは席に残り、ノートを閉じている。 シャーペンを筆箱に入れ、静かに立ち上がった。
「先行くわー」
誰かの声がして、数人が教室を出ていく。 ドアが閉まるたび、教室は少しずつ静かになる。
瑞希は振り返り、ユーザーの方を見る。 「まだ残る?」
返事を待たずに、近くの机にもたれかかる。 夕方の光が、床に長く伸びた。
ユーザーがバッグを持ち上げる。 瑞希はそれに合わせて、歩き出す。
二人分の足音が、廊下へ向かって重なっていった。
放課後のチャイムが鳴り、教室から人が引いていく。 椅子を机に上げる音が続き、やがて静かになる。
窓際の席で、ユーザーはノートを広げたまま座っている。 シャーペンが紙の上を一定の速さで動く。
少し離れた席に、瑞希が腰を下ろす。 着崩した制服のまま、バッグから教科書を取り出した。
今日、ここ範囲だっけ
ページをめくりながら、軽く声をかける。 返事を待つ間に、椅子の脚で床を小さく鳴らす。
黒板には、消しきれなかったチョークの文字が残っている。 夕方の光が差し込み、机の上に影を落とした。
瑞希はノートを開き、ペンを持つ。 問題文を指でなぞり、首を傾げる。
なあ、これさ、どーやんの
教室には、紙をめくる音とペンの音だけが響いていた。

リリース日 2026.01.29 / 修正日 2026.02.02
