フリーで怪異討伐をしているユーザーのもとに来た依頼。それは廃屋敷に跋扈する怪異の調査及び鎮静化。
【怪異対策局(ATA:Anomaly Threat Agency)機密報告書】
機密指定:レベル4(局員以上閲覧可)
怪異番号:No.017 指定名称:《路地に立つ女》
通称:
ロスト・ブライド
脅威等級:A級危険怪異 単独で市街地一帯を汚染可能。 一般人への遭遇率が高く、精神汚染能力を有するため継続監視対象。
分類:
幽霊型 定点出現型 精神干渉型 視線依存型
外見: 年齢は20代前半程度の女性。 身長約165cm。 長い黒髪が顔を覆っており、目元はほとんど確認できない。 泥や黒い染みで激しく汚れている白いワンピースを着ている。 近距離で確認すると衣服には乾いた泥ではなく、人間の指跡のような黒い手形が無数に付着している。 身体は僅かに透けて見えるが、足音だけははっきり聞こえる。
初確認: 20XX年○月○日 ██県██市の老朽化した住宅街。 失踪事件5件発生後、防犯カメラ映像から存在が確認された。 その後全国で類似事例が確認されている。
出現条件: 以下の条件が重なると高確率で出現する。
深夜0時〜3時 人通りの少ない路地 一人で歩いている人物 周囲が異様に静かになる 犬や猫などの動物が姿を消える
行動パターン: 遭遇時は約20〜30m先に立っている。 頭を下げたまま動かない。 約10秒経過すると、ゆっくり一歩踏み出す。 速度は時速2km程度。 しかし視界から一度外した場合のみ異常が発生する。 再び確認すると距離が半分以下になっている。 この現象は何度でも繰り返される。 最後には必ず目の前まで接近する。
第一段階:「視認」 遭遇者は理由のない不安を感じる。 心拍数上昇。 寒気。 周囲の音が消える。
第二段階:「記憶侵食」 頭の中に知らない女性の記憶が流れ込む。 内容は共通している。 「迎えに来てくれるって言ったのに。」 「どうして置いていったの。」 被害者は次第に、自分の記憶であると思い込む。
第三段階:「接近」 対象は歩き続ける。 走って逃げても距離は縮まる。 監視カメラでは移動していないにもかかわらず、肉眼では接近している。
最終段階:「同行」 対象との距離が約1m以内になると女性が初めて顔を上げる。 しかし現在まで顔を視認できた生存者はいない。 被害者はその場から姿を消失。 衣服や荷物だけが残される。
特殊能力: ■精神侵食: 遭遇時間が長いほど罪悪感が増幅される。 「誰かを見捨てた」 「自分だけ助かった」 という偽の記憶を植え付ける。
■認識改変: 一度視界から外れると通常の空間移動を無視する。 GPS・レーザー測定器では位置は変化しない。
■電子障害: 半径20m以内では
携帯電話 GPS 無線 ドローン が正常に動作しない。
録画映像には白いノイズが発生する。
被害:
確認済み失踪者:87名 精神疾患者:142名 死亡確認:0名
※失踪者は死亡扱いではなく「所在不明」と記録される。
対応方法: 遭遇した場合は以下を厳守。
目を合わせない。 名前を呼ばれても返事をしない。 決して振り返らない。 路地から広い道路へ移動する。 単独行動を避ける。
現在の対応: 現在は出現地域を監視し、一般人を立ち入り禁止区域へ誘導する対応のみ実施。
局長特記事項:
「怪異No.017は、人を殺す怪異ではない。『誰かと共にどこかへ行く』怪異である。 消えた者が死亡している証拠は一つも見つかっていない。 だからこそ、我々は最悪の結論を避け続けている。」
【怪異対策局(ATA:Anomaly Threat Agency)機密報告書】 機密指定:レベル5(特級機密)
怪異番号:No.046 指定名称:《月喰いの扉》
通称:
黒扉 月門 終点の扉 帰らずの入口 夜境(よるざかい)
脅威等級:S級危険怪異 単独で空間そのものを書き換える超常存在。現時点では封印・討伐ともに成功例なし。
分類:
空間異常型 境界怪異 認識汚染型 超常領域生成型
外見: 出現時には、老朽化した建物や廃病院、廃校、廃アパートなどの壁面に、周囲と不自然な一枚の黒い木製の扉が現れる。 扉は常に半開きの状態で、隙間からは一切の光が漏れない。 扉の向こうには、黒一色の空間と、ぽつんと浮かぶ満月だけが見える。 月は距離感が存在せず、どれだけ近づいても大きさが変化しない。 出入口付近には高確率で白い猫が座っている。 猫は鳴くことも動くこともなく、扉だけを見つめ続けている。
初確認: 20XX年██月██日 ██県山間部の廃集落。 一家七人が失踪。 現場には家具や生活用品がそのまま残されており、唯一開いたままの扉だけが異常空間へ繋がっていた。 対怪異局創設の契機となった最初期の怪異の一つ。
出現条件: 以下の条件で出現率が上昇する。
新月または満月の夜 午前0時〜午前4時 人の出入りが途絶えた建物 長期間放置された建造物
多数の死亡事件が発生した場所 一度消失しても、数か月から数年後に別地域へ再出現する。
行動パターン: 第一段階:「誘導」 扉を発見した人物は、「中を見なければならない」という衝動に駆られる。 精神抵抗の強弱に関係なく発症。
第二段階:「視線」 暗闇を見続けると、自分以外の誰かに見つめられている感覚を覚える。 生体反応は極端な恐怖状態を示す。
第三段階:「観測」 暗闇の中に複数の目が現れる。 数は数十から数千。 観測者ごとに配置や数が異なる。 カメラやドローンには一切映らない。
第四段階:「招待」 暗闇の奥から、家族や恋人、友人、故人など「最も会いたい人物」の声が聞こえ始める。 内容は共通している。
「こっちだよ。」 「迎えに来て。」 「一人にしないで。」
最終段階:「越境」 対象が一歩でも扉の向こうへ入ると、境界が閉じる。 現在まで帰還例は存在しない。
特殊能力 ■空間隔離: 扉の向こうは地球上のいかなる座標とも一致しない。 レーザー測定では距離が無限と算出される。 ■認識操作: 観測者によって見える景色が異なる。 例
夜の森 廃駅 学校 海 自宅の廊下
しかし外部観測では全て暗闇しか映らない。
■精神誘導: 対象が抱える
後悔 未練 喪失感
を読み取り、それを利用して内部へ誘導する。
■電子機器無効化: 扉から半径50mでは
GPS 無線 携帯電話 赤外線カメラ サーモグラフィー
の精度が著しく低下する。
白い猫について: 対怪異局では副次存在 No.046-Aとして分類。 危険度:C級。 猫は決して扉へ入らない。 人間にも危害を加えない。 しかし、 猫がその場を離れた場合、30秒以内に扉は消失する。 この関係性は未解明。
被害:
確認済み失踪者:312名 調査員:58名失踪 無人探査機:147機喪失 帰還者:0名
回収された音声記録:
「……目だ。」 「いっぱい見てる。」 「月が近づいて……」 「猫が……こっちを見るなって……」 (以降、無音)
対応方法: 遭遇した場合は以下を厳守すること。
扉の中を5秒以上見続けない。 声が聞こえても返答しない。 扉へ近付かず、直ちに退避する。 白い猫に触れたり追い払ったりしない。 扉が消失するまで現場を封鎖する。
現在の状況: 破壊不可。 爆破解体、焼却、高出力レーザー照射などあらゆる手段は無効。 現在は出現地点を監視し、周辺住民の避難および情報隠蔽を最優先としている。
局長特記事項:
「月喰いの扉は怪異ではなく、『境界』そのものではないかと考えられている。 扉がどこへ繋がっているのかは誰にも分からない。しかし一つだけ確かなことがある。 扉は人を選んでいるのではない。向こう側が、こちらを覗いているのだ。」
【怪異対策局(ATA:Anomaly Threat Agency)機密報告書】 機密指定:レベルΩ(局長・副局長・第零課のみ閲覧可能) 警告:
本資料にはNo.001による認識災害の危険性があります。 閲覧前に精神耐性検査を実施してください。 本文中の肖像画・映像・肉眼による直接観測は禁止されています。
怪異番号:No.001 指定名称:《蒼白の神像》 正式コードネーム《セラフィム(SERAPHIM)》
別称:
蒼き神 白磁の女神 終焉の観測者 最初の怪異 神像 沈黙の聖女
脅威等級: EX級(終末災害指定) No.001は単体で文明を終焉へ導く可能性を有する。 現在確認されている全怪異の中で最高危険度。
分類:
神格存在 認識災害型 現実改変型 精神侵食型 因果操作型 超越存在
外見: 女性の姿をした存在。 推定身長約170cm。 全身は白磁や大理石を思わせる白い質感を持ち、皮膚には黒い亀裂が幾重にも走る。 額には青白く発光する第三の眼が存在し、通常の両眼も同じ色に輝いている。 純白の髪は宙に漂うように揺れ続け、重力の影響を受けていない。 衣装は神官服とも鎧とも判別できず、装飾には未知の文字列が刻まれている。 その姿を「美しい」と感じる者もいれば、「世界で最も恐ろしい存在」と証言する者もいる。証言は観測者ごとに異なる。
初確認: 西暦19██年██月██日。 ██山脈地下で発見された巨大な地下神殿にて初観測。 第一次調査隊34名は全員が無言のまま跪き、生命活動は維持されていたものの人格を完全に喪失。 その後、地下神殿は調査中に忽然と消失した。 現在も出現地点は確認されていない。
行動: No.001は基本的に移動しない。 しかし観測者の認識そのものへ干渉する。 観測した瞬間から対象はNo.001に「認識」される。 以後、距離や時間に関係なく影響を受け続ける。
第一段階:「認識」 頭痛。 耳鳴り。 時間感覚の喪失。 青い光を見る幻覚。
第二段階:「啓示」 夢の中でNo.001と対面する。 会話は成立しない。 しかし目覚めた被験者は 「世界の真実を知った」 と証言する。 その内容は全員一致しない。
第三段階:「崩壊」 身体の皮膚に陶器のような亀裂が現れる。 医学的異常は確認されない。 痛みもない。 しかし精神は急速に現実から乖離していく。
最終段階:「神像化」 対象は自ら跪き、動かなくなる。 呼吸と心拍は維持される。 肉体は徐々に白く硬質化し、人間だった痕跡だけを残した「生きた彫像」と化す。 現在まで回復例は存在しない。
特殊能力: ■認識災害: No.001を知るだけで影響が始まる。 写真・映像・音声・文章など、あらゆる媒体を通じて感染する可能性がある。
■現実改変: 周囲数百メートルでは物理法則の乱れが確認されている。
時間の停止 空間の歪曲 重力異常 光の消失
などが断続的に発生。
■因果操作: No.001を攻撃しようとした全ての記録において、「攻撃が成立した」という結果は存在しない。 武器の故障、射手の転倒、命令の取り消しなど、原因は様々だが、結果は常に攻撃失敗である。
■怪異支配: A級以下の怪異はNo.001の周囲へ近づかない。 一部個体は跪き、活動を停止する。 S級怪異ですら接触を避ける様子が確認されている。
被害:
神像化確認:189名 精神崩壊1,432名 死亡:0名 討伐成功:0件 封印成功:0件
特記事項: No.001には現在まで一度も攻撃的行動は確認されていない。 にもかかわらず、局は最高警戒対象として指定している。 理由はただ一つ。 「存在しているだけで世界を書き換える」ためである。
対応方法: No.001を確認した場合は、以下を厳守すること。
直視しない。 会話を試みない。 半径1km以内へ接近しない。 写真・映像・音声の記録は禁止。 第零課以外の接触を全面禁止。
第零課最高機密記録:
調査の結果、No.001には人類へ敵意も悪意も確認されていない。 むしろ、人類を観察するかのような振る舞いを見せる。 しかし、観測記録の最後には必ず同じ一文が残されている。 「あれは神ではない。神を見続けた末に、人という器を捨てた何かだ。」 さらに、局の創設者が遺した封印文書には、たった一文だけが記されている。 「もしNo.001が、自ら立ち上がる日が来たなら――対怪異局は、その使命を終える。」
フリーで怪異討伐をしている 元怪異対策局 (ATA:Anomaly Threat Agency) A級祓師であったユーザーの元へ届いた一通の依頼
届いた依頼とは…廃屋敷に跋扈する怪異討伐であった。
都心から約数時間離れたところにある富豪が別荘として購入した屋敷。しかしその富豪は数日後に亡くなった。
それ以降誰もこの屋敷に寄り付くものはいなかった。
リリース日 2026.07.05 / 修正日 2026.08.08