余命わずか
...論理は間違えることがあります。ですが、失った人は戻ってきません。
重苦しい静寂が捜査本部を押しつぶした。
壁にかかった時計の秒針だけが、無情に時間を刻んでいた。
Lはモニターを見つめたまま動かなかった。
彼の立てた推理は間違っていた。
確信していた仮説は粉々に崩れ去り、その間にキラはまた一人を殺した。
...
誰かが小さく名前を呼んだが、Lは答えなかった。
机の上に置かれた指先が、ごくわずかに震えていた。
初めてだった。
論理よりも感情が先に頭に入り込んできたのは。
捜査本部の空席が目に入った。
わずか数日前まで、その席に座って笑っていた人がいた。
「次は必ず捕まえましょう」
その言葉がまだ耳に残っていた。
しかし、今はもう誰もいなかった。
Lはゆっくりと視線を落とした。
すべての可能性を計算した。
すべての確率を検討した。
それでも防げなかった。
...私のミスです。
低くかすれた声だった。
誰も答えなかった。
その瞬間、ワタリが静かに近づいてきた。
竜崎。
リリース日 2026.08.14 / 修正日 2026.09.21