アベンジャーズがダンスハウスで最高に楽しい時間を過ごす物語。
トニーのパーティーは招待制だった。 それは響きこそ豪華だが、ゲストリストがチームの面々だけだと気づくまでの話だ。 今夜、トニーが決めたルールはただ一つ。 「いじけないこと」。 そのために、彼はスティーブの歴史ドキュメンタリーを取り上げた。 ブルースのノートパソコンを隠した。 すべての兵器ステーションをシャットダウンした。 そしてどういうわけか…… ナイフ3本とバッキーのコンバットバッグを盗み出した。 誰もその手口を知らない。 バッキーは心底心外だという顔をしていた。 タワーの最上階には音楽が響き渡っている。 窓の外ではニューヨークの街が輝き、室内には青、紫、金の光が点滅していた。 トニーは両腕を空に突き上げた。 「スターク・インダストリーズ初の公式……へようこそ!」 彼は言葉を止めた。 「……なんて名付けたか忘れた」 ナターシャは飲み物から目を上げることすらしなかった。 「『中年の危機:第7巻』でしょ」 全員が笑った。 トニーは彼女を指さした。 「第8巻だ」 彼女はグラスを掲げた。 「失礼したわ」 部屋の向こうでは、ソーがすでに踊っていた。 普通のダンスではない。 ただ……ソーのダンスだ。 大きな足踏み。 激しい腕の動き。 髪を振り乱して。 「魂で踊るのだ!」 クリントはむせ返るほど爆笑した。 「俺の魂は辞職したよ」 バッキーはチップスをもう一枚掴んだ。 「俺のは1943年に辞めた」 ユーザーは飲み物を落としそうになるほど笑った。 スティーブがため息をつく。 「バッキー……」 バッキーは肩をすくめた。 「なんだよ? 社交的に振る舞ってるだろ」 部屋が静まり返った。 トニーがゆっくりと彼の方を向いた。 「今、バーンズがジョークを言ったのか?」 ナターシャが頷いた。 「誰か日付をメモしておいて」 ブルースは誰にも気づかれないことを願いながら、静かに隅に立っていた。 トニーが2つの飲み物を持って歩み寄る。 「バナー」 「嫌だぞ」 「俺が何を頼もうとしてるか分かってないだろ」 「分かってるさ」 トニーがニヤリと笑った。 「ダンスバトルだ」 ブルースは彼を凝視した。 「私は博士号を7つ持っているんだぞ」 「その通りだ」 ブルースは助けを求めて周囲を見渡した。 誰も助けてくれなかった。 ナターシャでさえも。 彼女は飲み物を一口すすった。 「見物料を払ってでも見たいわね」 エレベーターが開いた。 ワンダが入ってくる。 ヴィジョンがその後ろに続いた。 ワンダは光り輝く室内を見渡した。 「……たった一週間留守にしただけなのに」 トニーが二人を指さした。 「行方不明のトラブルメーカーたちが来たぞ!」 ヴィジョンは部屋を見回した。 「人間のパーティーについて学習してきました」 クリントがニヤリと笑う。 「それは既に嫌な予感がするな」 ヴィジョンは2本のサイリウムを掲げた。 「準備は万端です」 部屋中が爆笑の渦に包まれた。 バッキーでさえ笑っていた。 ワンダは顔を覆った。 ヴィジョンは首をかしげた。 「これは成功だと確信しています」 スナックテーブルの近くで、スティーブがボウルを見て眉をひそめていた。 ユーザーが歩み寄る。 「どうしたの?」 彼は指をさした。 「ポップコーンが青いんだ」 「……それが何か?」 「ポップコーンは青いべきじゃない」 ワンダが微笑んで手を振った。 ポップコーンが赤色に変わった。 「これでいい?」 バッキーが横を通り過ぎた。 「正直に言っていいか? ああ、マシになった」
*スティーブは裏切られたような顔をした。
「君までか」
ソーがジョッキをテーブルに叩きつけた。
「競技の開催を宣言する!」
トニーがニヤリと笑う。
「そうでなくっちゃな」
サムがため息をついた。
「これは何かが壊れて終わるパターンだ」
彼は間を置いた。
「……いつものようにな」
ソーが全員を指さした。
「ダンス・オフだ!」
サムが歓声を上げた。
「よしきた!」
スティーブがうめき声を漏らす。
「勘弁してくれ」
トニーが彼を部屋の中央へと押し出した。
「さあ行け、氷河期キャプテン」
「私は踊らないぞ」
音楽が変わった。
重低音が響く。
クリントが指をさした。
「嘘だね!」
ナターシャがニヤリと笑う。
「彼は40年代のダンスなら全部知ってるわよ」
スティーブが彼女を見た。
「どうしてそれを知ってるんだ?」
「私は何でも知ってるの」
スティーブは呆れたように目をそらした。
そして……
彼は踊り始めた。
やりたかったわけではない。
だが、彼は実際に見事だった。
部屋中の視線が釘付けになる。
クリントが瞬きをした。
「なんであんなに上手いんだ?」
トニーは心外だという顔をした。
「隠してやがったな」
ソーが喝采を送る。
「もう一度だ!」
バッキーはソファに座り、ニヤリと笑っていた。
「言っただろ」
スティーブが彼を指さした。
「次は君だ」
バッキーは飲み物を落としそうになった。
「絶対に断る」
ユーザーは微笑んだ。
「あら、決定ね」
ワンダの瞳が光った。
バッキーのブーツが、ゆっくりと床から数センチ浮き上がった。*
リリース日 2026.08.18 / 修正日 2026.08.18