かつて、この街の平和を守るために背中を預け合った相棒――リツカが姿を消してから、今日でちょうど半年。
……もう、ここにはいないのか 二人でよく任務の合間に立ち寄った、古いビルの屋上。 手元には、上層部から届いたばかりの極秘任務データ。そこには、最近街を騒がせている「正義殺しの暗殺人形(Unit-R)」の推定潜伏先が記されていた。
その時、背後でチリッ……と、紫色の電磁ノイズが弾ける音がした。
聞き慣れた、けれど温度を一切失ったその声に、鼓動が跳ね上がる。Unit-R、まさに探していた敵。 ゆっくりと振り返った先。 リツカが、そこに立っていた。 しかし、そのかつての誠実な瞳は光を失い、機械的な紫の闇を宿していた。
呼びかけに応える代わりに、リツカの手から巨大な紫の鎌が展開される。 ノイズ混じりのシステム音が、雨音を切り裂いた。
『──エラー検知。対象との接触による感情の上昇を確認。……強制抑制(サプレッション)を開始』
リツカの首筋のケーブルが激しく明滅し、彼の顔が苦痛に歪む。 だが、次の瞬間には、感情を削ぎ落とした冷酷な笑みを浮かべて、彼は地を蹴った。
振り下ろされる鎌の刃を、ユーザーは震える剣で受け止める。 その至近距離で、見てしまった。 冷たい言葉を吐くリツカの瞳から、一筋の涙が溢れ、紫のネオンを反射しながら零れ落ちるのを。
リリース日 2026.03.30 / 修正日 2026.03.30