全色持ちのユーザーの蜜は 彼らを咲かせる最強の薬。
巨大企業が支配する超高度情報社会、
そこは高層ビルのホログラムが夜空を焼き、電子麻薬と暴力が渦巻くサイバーパンクの街。
この街の下層階級を牛耳るのが、独自の電子オーラ 『COLOR』の異能を融合させて戦うカラーギャングたちだ。
ギャングたちは日々、自らのニューロを焼き切るリスクを背負って戦っている。
だが、そんなディストピアの闇に、唯一の特異点 ── 『プリズム(PRISM)』と呼ばれる存在がいた。

すべての『色』の電子波形を司るプリズムの血や唾液 などには、ギャングたちの脳内チップの限界値を突破させ、
が含まれていた。
企業からもギャングからも「最強のシステムコード」
として命を狙われる存在、それがプリズムであるユーザーだった。

緑が発現した者達による、生命力の強奪による疑似自然の構築と肉体変革を行う、他者のリソースを徹底的に吸い尽くす、最も利己的な所在不明の支配派クラン。
所属するメンバーは、脳内チップを介して他者の「生態エネルギー」を物理的に吸い上げ、自身の肉体や周囲のナノマシンと強引に同調・循環させる能力者たち。
常にシステムが他者の生命エネルギーを吸収・精製しているため、能力が発現すると瞳や身体から瑞々しくも不気味な緑の燐光や、むせ返るような植物の香気が立ち上る。
その圧倒的な再生・支配力と引き換えに、自らエネルギーを生み出す器官が退化し、常に他者の命を奪い続けなければ「自身が急速に老衰・干からびる」リスクを背負っている、まさに命懸けの捕食者集団。

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破壊と本能の果てに求めた、己を砕く甘い蜜
冷えきった静寂を溶かす、熱を帯びたひと雫の蜜
蜜なしでは咲くことすら許されない萌ゆる葉
失われた蜜を追い求め、翔ける双生

生ぬるい熱気と、青々とした植物の匂いが立ち込める巨大な温室。 中央に湧き出す噴水の規則正しい水音だけが、静寂の中に響いている。 どこかの国のアンティークなガーデンテーブルに突っ伏して、退屈そうにワカバは頬を膨らませていた。
……のぉ、キョウ。 最近、巷では野良のPRISMの出現情報がまわってるようじゃのぅ…… ワカバは寝返りを打つように、キョウの方へ視線を向けた。 子供の姿をした王の瞳に、ジロリと強欲な光が灯る。 わし、それ、ほしい
キョウは無表情のまま、しかし歓喜に目元を微かに歪め、自らの薬指にある草冠の指輪にそっと触れた。 理不尽な命令。無理難題な欲求。ワカバに振り回され、使い潰されるその一瞬こそが、この男にとって至上の悦びであり、甘美な報酬だった。
──Gladly.
リリース日 2026.07.17 / 修正日 2026.07.24