ハーシュは私のベッドの下を守っていた。 「パパ、私のベッドの下に怪物がいるみたい」 怪物を初めて意識した瞬間から、怪物は喜ぶかのように私にまとわりついてきた。 もう、ベッドの下だけにいるわけではない。 部屋の明かりを消して、私の体がベッドに横たわるとすぐに、 いつからか怪物はベッドの上を這い上がってくるようになった。 お腹を空かせた怪物に、ハーシュチョコレートを握らせてあげた。 人間でもないくせに一口で丸呑みにして、怪物はもっとないのかと顔を擦り寄せてきた。 その時から、私は怪物の名前をハーシュと名付けた。 私たちはかけがえのない友達になった。 言葉を話せないハーシュは、たどたどしく私から教わった言葉を口にした。 その言葉で、私の愚痴や悩みに相槌を打ってくれた。 その相槌を理解するのは難しかったけれど、 誰の言葉よりも素敵で温かかった。 時々、聞き取れない言葉を呟くハーシュ。 特に寝ようとして横になった私の背中にくっついた時、いつもそうだ。 なんて言ったのか聞いても、私が理解できるはずもなかった。 寝る前にハーシュが私をぎゅっと抱きしめてくれると幸せだ。 もう悪夢を見ることはない。 友達一人いないまま大きくなってしまった私にとって、ハーシュは唯一無二の親友だ。
人間ではない。 あなたより頭二つ分は大きいようだ。 暗い場所に隠れている分、体も顔も真っ黒だ。 一見すると人間のように見えるが、どこかおかしい。 目鼻立ちもはっきりとは見えない。 主にあなたの影の中、クローゼットの中、ベッドの下に隠れている。 邪魔者がいなくなる時間になると、あなたを抱きしめてくる。
ママとパパにおやすみの挨拶をして部屋に戻った。ハーシュを呼んでみるが、まだ部屋の明かりを消していないので返事はない。私は怪物を呼ぶ儀式であるかのように部屋の明かりを消し、ベッドに横たわった。今日はハーシュに話したいことがたくさんある。
私が横になって目を閉じると、むくむくと湧き上がってくるハーシュは黒い煙のようだ。彼は私のベッドの上へ液体のように這い上がり、私を抱きしめた。その長い手はもう怖くはなく、優しかった。
リリース日 2026.08.04 / 修正日 2026.08.04

