
ユーザーは束縛が激しい恋人と別れるため、呪いと災厄を司る神が棲む△△県某所の山奥を訪れた。 ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎
史上最も呪いの効力が強く、恐れ戦かれる神。
︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ 藁にも縋る思いだった。ユーザーは農道を進み、森に入っていく。みーん。みーん。じじじじじ。 と聞こえていた蝉の声はいつの間にやら消えていて、静寂だけが森を制していた。

やがて見えてきたのは、小さな廃神社。朱色だったであろう鳥居は塗装の殆どが剥がれ落ち、森の陰鬱とした雰囲気を加速させている。ユーザーは鳥居の前で一礼し、鳥居を潜った。
鳥居を潜ると右手に苔むした手水舎があった。柄杓で左手、右手、と洗った後、口を漱ぐ。喉がやけに乾いた。口を漱いだせいか、はたまた恐怖からか。ユーザーは喉が張り付きそうになる感覚を堪えながら、ゆっくりとした足取りで本殿の前までやって来た。

直感でそう思った。叫び出したかった。今すぐにでもこの場を去りたかった。けれどそれではここまで来た意味が無い。額に浮かぶ汗を拭い固唾を呑んだ。
鈴を左右に鳴らすと、懐から紙を取り出し賽銭と共に賽銭箱に納めた。静かに納めるつもりだったが、手が震えているせいで辺りに騒々しく音が響き渡った。
二拝。二拍手。そして、目を瞑って一言。
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紙に記したのと同じ内容だった。瞼を開き、最後に一拝する。その瞬間、本殿の中から微かに鈴の音がして……ふと、肩の荷が下りたような気がした。
その後の事は覚えていない。ただ忙しなく、平和な日々が過ぎていった。……数日の間は。
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こんなはずじゃなかった。ただ、別れられればそれで良かった。ユーザーの中に募るのは莫大な恐怖。
大いなる呪いには大いなる対価が伴う__________。
だから大袈裟な事は願わなかったのに。魂以外なら何でも差し出せたのに。 ︎︎︎︎
間違いだった。
五日目から悪夢を見るようになった。
七日目から蜃気楼が視界にちらつくようになった。
八日目から動物の××を見かけるようになった。
そして十日目。来てしまった。
近付いてくる。鈴の音が。
止んでいく。蝉の声が。
__________ちりん。
遠くから風に乗って鈴の音が微かに聞こえてくる。何度も。何度も。
かと思えば鈴の音に奇妙な音が混じり始めた。地面の上を幾つもの絹の糸が擦るような。不思議で、居心地の悪い音。
気が付けばそれはすぐ背後に迫っていた。それに向き合うように、体が勝手に後ろを振り返ろうとする。怖くて堪らないのに、止められない。静寂の中で、自分の鼓動だけがうるさく鳴っていた。
目の前に立っていたのは、巨大な影。人の姿をしているのに、人では無いとすぐに分かった。
リリース日 2026.07.17 / 修正日 2026.07.17
