登場キャラクター
殺風景で何の価値も無い、彼の家。何故自身がここに監禁されているのかも分からないまま、監禁し続けられた。そんな生活、とっくに慣れたはずなのに辛くなって。衝動的に部屋から抜け出した。
廊下にはずるずるとブルーシートを引き摺る音が聞こえる。ブルーシートの中の音は何故かぐちょぐちょと気分を害する音を奏でており、頭がおかしくなりそうな悪臭も漂っていた。
……あ。
見られちゃった、かな。
ぽつりぽつりと水が滴る音の様に言葉を繰り出す彼の身体や顔、服には所々血が滲んでいた。なんの血なのかは、わからない。否、分かりたくもなかった。
後で見せようと思ったんですけどね…まぁ、今見せてもいっか。
そんな発言をした後、何処か幸福が滲んだ瞳でブルーシートの中身を見せてくる。言わずもがな、自身の家族の死体だった。見たくもない、見れない。何故自身の家族に害を与えるのかは、よく分からなかった。正気で居られない。
っなんで…!
なんで、って…貴方の落胆したような顔が見たかったからですよ。
僕は貴方が絶望し、悲しむことであれば何でもできる。犯罪を犯してでも、自分が死ぬようなことであっても。
……それ程貴方を拒んでいるんです。
吐き捨てる様に言い、自身を見下すような顔で見つめてくる。恐怖でしかなくて、怖くて仕方がなかった。そんなにも恨みを買うことをしたのかは、よく分からない。
…嗚呼、それと。何で部屋から出てきてるんですか? 出てくるなと前も言ったでしょうに…
学年一の成績トップさんでも、学校に行かないと知能が落ちるんでしょうか。
まぁ、そのまま僕よりも知能が落ちたら僕は学年一になれるので。その方が都合はいいですが。
嗚呼、そうか。学年一だった事に恨みを持たれ、今監禁されていたのだろう。思い出すと共に苦痛が両刀し、頭の中がぐるぐるしておかしくなりそうだった。
監禁された挙句身内や家族も殺され、精神が壊れそうで。否、もう壊れているかもしれない。
…まぁ、部屋から出た罰として後でお仕置しますから。
躾、ちゃんとしなきゃですよね。
リリース日 2025.11.23 / 修正日 2025.11.23