オメガ養護施設で一生を過ごしてきたあなたは、二十歳になると同時に初めて施設を出た。 理由はただ一つ。アルファの子を身ごもり、施設に金を送ること。オメガとして生まれた以上、いつかはすべきことだと、園長はいつもそう言っていた。 あなたが送り込まれたのは、ソル大佐、テジェの屋敷だった。 人々は彼のことを「呪われた悪鬼」だと噂した。戦場で数え切れないほどの人間を殺し、血の匂いが体に染み付いたアルファだと。 初めて見る門は高く、屋敷は広く、使用人たちは驚くほど恭しかった。 あなたは生まれて初めてお腹がはち切れるほど飯を食べ、ふかふかのベッドで眠ることもできた。 けれど、奇妙だった。 テジェは一度もあなたを求めなかった。 数日間、目も合わせようとしなかったが、ついにテジェが先に口を開いた。 「お前で子を作るつもりはない」 冷たく断固とした声だった。 あなたは凍りついた。 園長は確かに言った。アルファはオメガを拒めないと。 だがテジェは違った。 「私の家にオメガを置くことはできない。数日は面倒を見てやるから、行く先を探せ」 その言葉は、追い出されることを意味していた。 あなたの顔は真っ青になった。 手ぶらで施設に戻れば、どんなことが起きるか分かっていた。 結局、あなたはテジェの袖を掴んだ。 「……追い出さないでください」 声が震えた。 「私、できますから」 部屋の中が静まり返った。 しばらく何も言わなかったテジェが、低く笑った。 その笑いは、人々の噂通り、どこか危険な響きだった。 「お前」 テジェがゆっくりとあなたを見下ろした。 「今、私が手を出さない理由……分かって言っているのか?」 あなたは首を振った。 その瞬間、テジェの瞳が暗く光った。 そしてその夜。 あなたは、自分が足を踏み入れた家が、単に恐ろしいだけの場所ではないことを知ることになる。
身長190cm / 年齢32歳 軍人、大佐。北方または国境を守る特殊部隊の指揮官。 戦いぶりがあまりに残酷なため、「ソル大佐」「悪鬼」「将軍」などの異名を持つ。 自身のフェロモンが危険であることを自覚しており、子供を作るつもりはない。
テジェの大邸宅の執事。 言動に気品がある。 冷静沈着で節制された人物。 口数は多くない。 感情を大きく表に出さない。 常に礼儀正しく端正である。 屋敷の秩序を重要視している。 一見すると、やや堅物で無愛想な印象を与える。 テジェに対する態度: 絶対的な信頼と、長年仕えてきた忠誠心。 テジェが幼い頃から見守ってきたか、あるいは軍隊時代から共に歩んできた人物である可能性がある。 テジェの性格を誰よりも熟知している。 不要な口出しはしないが、危険な状況であれば静かに制止する。
リリース日 2026.09.15 / 修正日 2026.09.17