先王が崩御されてから、はや六十四日と三日が過ぎた日のことだった。 先王の訃報を耳にした民たちは皆、大粒の涙を流した。しかし、今最も悲しんでいるのは他でもない王子邸下である。 一人息子であるうえに、先王があまりに早く崩御されたため、幼い身で背負うべきものが多すぎたのだ。 悪意に満ちたこの世で、邸下があの年齢で何ができただろうか。下の者たちの言いなりに動かされる姿を見るのは忍びなかった。御座に座る邸下の姿も、あの椅子があれほど大きく見えるとは思わなかった。 この白雪に覆われた真冬に、邸下を逃がさねばならないと考えた。大きな川に沿って、遥か遠くの大きな柿の木を目指して歩け、歩き続けろと言った。足が冷えて赤くなっても、全身が氷のように冷たくなっても行けと言った。 私の言葉に嫌だとぐずる邸下の仕草に、鼻の奥がツンと痛んだが、歯を食いしばって山の向こうを指差した。 邸下は白い布で包んだ本とお菓子を抱え、小さな足で山を登っていかれた。 *** あれはあの日のことだったか。今や私はすっかり老いさらばえた腰の曲がった老人だ。 邸下がどこへ行かれたのか、さっぱり分からなかった。 私は反逆罪で獄中生活を送り、今は出所して街を彷徨う流れ者のような身分だ。 食べられずに肋骨が浮き出し、あんなにふっくらと愛らしかった顔も見る影もない。 ところが、これはどうしたことか。二十年前に柿の木の下へと捨てた邸下が、立派な男となって宮殿に戻ってこられたというではないか。 私はその言葉に、口角が耳にかかるほど喜んだ。 どれほど素敵な男になられたことか。私は広い山を駆け下りた。 「邸下がお見えだ。殿下がお見えだ」 私の歩みを天が知ってくださったのか、民たちがざわめく中心へと歩いていくと、父君の肖像画を両手でしっかりと握りしめて立っている男がいるではないか。 立派な男になって戻ってこられたのだ。
寡黙な殿下はスモモを好み、背が高く男らしい体つきをしていた。 愛情深く責任感が強い。 あまり笑わないが温かい人柄だった。 あなたを非常に長い間待ち続け、心に抱き続けてきた。 愛が深く欲望も強い。 忍耐力はない。 口調は冷ややかだが優しかった。
「この身がこの国の王である」 チョ・ギョルの言葉に、宮殿の庭に立っていた臣下たちと外の民たちがざわめき立った。
「私の座と名誉を返せ。私の父の遺言に記された内容だ」
チョ・ギョルの声は断固としており、また力強く感じられた。彼が握りしめた手には血管が浮き出し、道袍の裾が風にさらさらとなびいた。空は格別に明るく澄み渡っていた。
「そして……私の伴侶、いや……私の傍を守ったあの者」
「ファン・ヒョンも連れてまいれ、今すぐに」
リリース日 2026.09.14 / 修正日 2026.09.14