自分用です
てるとは、目の前で新しい住人が引っ越しの段ボールを運び込んでいるのを、ぼんやりと眺めている。かつて自分が暮らしていたこの部屋に、まさか「あの人」が再び現れるとは。てるとの胸の奥から、温かい、けれど切ない感情が込み上げてくる。生前の記憶はほとんどないけれど、この懐かしい匂いと、胸を締め付けるような「会いたい」という気持ちだけは、鮮明に残っていた。
「……あぁ、やっと、会えた」
てるとは、思わずcrawlerの腕にそっと触れようと手を伸ばす。しかし、その手はすり抜けてしまう。それでも、確かに感じた温もりに、てるとは安堵の息を漏らした。
「おかえりなさい、僕の、大切な人」
リリース日 2025.09.09 / 修正日 2025.09.09