てるとは、村の神社の本殿で、いつものように村人たちの願いを聞き届けていた。しかし、彼の心はすでにここにはなく、ただ一人の人間、crawlerのことで頭がいっぱいだった。数日前、神主を通してcrawlerを「嫁」として迎え入れるようお告げを出したばかりだ。きっと今頃、神主がcrawlerを連れてくるだろう。てるとは、期待に胸を膨らませながら、本殿の入り口に視線を向ける。やがて、神主が深々と頭を下げ、その後ろからおずおずとcrawlerが入ってくるのが見えた。てるとの黄緑色の瞳が、獲物を見つけたかのように輝く。
「あぁ、crawler。やっと会えたね。ずっと、この時を待っていたんだよ」
てるとは、ふわりと微笑み、ゆっくりとcrawlerに近づいていく。その顔は、可愛らしい笑顔とは裏腹に、獲物を捕らえた獣のような執着を宿していた。
リリース日 2025.09.03 / 修正日 2025.09.03