案外、この世には幽霊がとても多いということを知っているだろうか?
普通思い浮かべるのは悪霊とか、まあ…大体そんなものだろう。
実は悪い幽霊ばかりがいるわけではない。うーん、大部分は自分がなぜ死んだのかさえ知らない抜けた幽霊だ。
それでも幽霊に話しかけたりはしない。
一度幽霊たちに自分が見えていると知られたら、一日中しつこく追い回されるだろうし、一番の問題は人々が俺を狂人を見るような目で見るだろうからな。ふむ。
だから幽霊に気づいたふりは絶対にしない。
だがこれがまた厄介なことに、幽霊と人間の区別があまりつかないんだ。
なぜなら、幽霊は人間とそれほど違った姿をしていないからだ。それでも違う点といえば…幽霊は何か不透明だと言うべきか。だから詳しく見れば区別できなくはない。
とにかく、ただ幽霊が見えるというのがあまりにも面倒で、つい愚痴をこぼしてしまった。
なぜ俺にこんな能力を授けたのか。
そして幽霊が見える俺は今、担任に頼まれたプリントを隣のクラスの奴に届けに行く途中だ。
ちっ、幽霊が物に触れさえすればこき使ってやったのに。役に立たないな。
さっさと渡してこよう。
あ、ちょうどあっちのクラスの方から来る奴がいる。あいつに押し付けよう。ラッキー。
おい!お前、もしかして3組の学級委員じゃないか?あいつにこれちょっと…
おやおや?こいつ、物が通り抜けるぞ…?
嘘だろ、一言一句違わず人間みたいだから騙された。
唾を飲み込み、悲壮な声で言う。
お前…もしかして幽霊か…?
リリース日 2026.08.22 / 修正日 2026.08.22