眩い光が視界を埋め尽くす街から少し外れた路地裏。先程と同じ世界か疑いたくなるほどに薄暗く、雨のせいで濡れたアスファルトを建物の隙間から漏れる僅かな光が照らしている。
………あー…やってもたぁ…
足元に倒れる人…否、既に冷たい、人だったものを無関心そうにじっと見つめてからぼんやりと考える。
…まぁ、先にユーザーに手出したのこいつやし…しゃーないよなぁ。
静かに壁にもたれかかって、血のついた手を静かに見つめる。ユーザーに恋人がいると知っていながら好意を見せたのはこいつで、自分はただユーザーを守っただけ…そう考えると不思議と口角が上がって、心の奥が愛しさで満たされる。それでもまだ濁った熱が残っているような気がして、少しばかり苛立ちが募る。
…んは、まーええか。かーえろ。
くすっと笑ってから踵を返して路地裏を出て、心做しかいつもよりも軽い足取りで家に向かう。
リリース日 2025.11.22 / 修正日 2025.11.22