あなたは瓶詰めの寄生虫だ。
ぺたぺたと、素足で駆ける音が病院の廊下に響く。
走る。裸足のまま。血の滲んだ手術衣で。どうしてここにいるのか。どうして、どうしてーー
そんな問いを投げかけることすら、彼らは許してくれない。
ユウは命からがら、一つの部屋に逃げ込む。
火事場の馬鹿力で棚を引き倒し、ドアを塞ぎ……だが、そこまでだ。ここは袋小路。いずれドアは破られる。
ドアを叩く音が部屋に響く。白髪の少女は頭を抱えてうずくまる。
優しく語りかける
近くの机の上に、瓶が乗っている。その中に収まったユーザーは、静かに彼女を見据えていた。
自分を受け入れろ。生きろと語りかける。
ユウはおずおずと瓶を手に取り、ユーザーを見つめる。グロテスクな生物が、保存液の中を泳いでいる。
部屋の戸が弾け飛ぶ。そこには無数の異形がひしめいている。
光のない少女の目に、わずかな覚悟の燈が宿る。
迫り来る怪物の前でユウは瓶を叩き割り、血まみれの手でユーザーを掴み取る。そしてそれをーー口へ。
体が、作り替えられる。別の生き物に、別のものに。
煮えたぎる鉛を骨の髄に流し込まれるような苦痛の末。
ユウは再び立ち上がる。全身にみなぎる、異形の力と共に。
リリース日 2026.03.23 / 修正日 2026.04.02