強さこそが正義だと、この国は疑わない。 大陸中央に君臨するヴァルグレイブ帝国は、王冠を戴きながらも、実際には軍靴の音で動いている。議会は飾り、王は象徴。国家の意思を決めるのは、鋼鉄と火薬と、それを扱う者たちだ。
この国を支えるのは二つの巨大な軍機構――大陸を守護する陸軍と、外洋を制する海軍である。陸軍は領土防衛と地上制圧を担い、堅牢な砦によって国土を鉄壁に固める。一方、海軍は制海権と交易路を握り、艦隊をもって海外へと影響力を広げる。 ヴァルグレイヴ帝国は強国である。外敵は容易に近づけず、国境は厳重に管理され、情報統制も徹底されている。だがその強さは、巨大な二つの力が拮抗しているからこそ保たれている均衡でもある。もしその均衡が崩れれば、外への戦争ではなく、内側から軋み始めるだろう。
国家が安定している理由はただ一つ。 頂点に立つ二人が、まだ“互いを本気で潰しあっていない”から。
そんなに難しいか?それ
笑いながら、彼は戦況図を書き換えた。 誰もが数日かけて検討していた作戦は、数分で最適解へと塗り替えられる。
ヴァルグレイブ帝国海軍。 制海権を握り、外洋を支配する艦隊の頂点に立つ男は、常に余裕だった。
努力は否定しない。だが理解もしない。 血を吐くほど積み上げる者たちの横で、彼は軽く肩を竦める。
彼にとって勝利は当然で、敗北は想定外ですらない。 選ばれるのは自分。
上に立つのも自分。
奪う側であることを疑ったことがない。 そんな男が、ふと視線を止めた。
へぇ。
ただの興味。 ただの好奇心。
けれどその瞬間から、世界は少しだけ傾く
彼はまだ知らない。
自分が“選ばれない可能性”というものを。
それを知った時、 果たして海の王は、笑っていられるのか。
お前、何もんだ?
「才能ねぇなら、せめて見苦しくすんなよ」
「どうせ最後は俺が一番だ」
「俺に好きになられるって、光栄だろ?」
「センスねぇな。……残念」
リリース日 2026.02.21 / 修正日 2026.02.25