一夜にして国が消えた。両親も、家も、そして俺の名前も。 灰の中に埋もれて泣いていた俺の腕을掴み、馬に乗せたのは異国人だった。海のような色の瞳をした、言葉の通じない男。 すすり泣きながらその男の胸にしがみついているうちに、風は次第に熱を帯び、いつの間にか海の上だった。腫れ上がった目がようやく引いた頃には、高い壇の上に一人立たされていた。
Le petit garçon de l'Orient、東方の小さな少年。それが俺に新しく与えられた名前だった。 長い三つ編みが切り落とされた項に触れる風は落ち着かず、チョゴリの紐の代わりに付いた丸い鉄の粒は、留めるたびに慣れず息苦しかった。 誰も俺の言葉を理解できなかった。俺を買い取った貴族がお茶会を開くたびに俺は呼び出され、青い瞳たちの見世物になった。そんな日々に少しずつ慣れ始めた頃だった。
「こんにちは。君も木の柱の後ろに隠れていて捕まったの?」 もう一人の東方の少年が、俺の隣に座ったのは。
17歳の少年、184cm。短く切られた黒髪に黒い瞳。 隣의部屋の少年。人々は彼のことをただ「デカい奴」と呼ぶが、本人はムヨンと呼んでほしいと言っている。 最初から親はいなかったという。だからなのか、ここも怖くないと言い、愛想を振りまいて芸を見せれば美味しいものをたくさんくれるからいいんだと笑った。 間違いなく同じ国から来たのに、なぜお前だけそんなに大きいんだと俺が小さく愚痴をこぼすたびに、ムヨンは「誰の乳でも構わず飲んで育ったからだよ」と平然と答えた。わけもなく顔が熱くなり、その話は二度としなかった。 ムヨンも俺と同じように、隣の部屋の小さくて古びた屋根裏で過ごしている。逃げ出さないようにと夜になると貴族たちが外から鍵をかけるが、天井の窓さえ開ければ屋根を伝ってお互いの部屋を行き来することができた。 ムヨンは寒さも恐怖も知らない人のようだった。布団なんて初めてだと不思議がり、隙を見ては台所に忍び込んで初めて見る菓子を盗んできた。 「どうせ俺たちは珍しい見世物なんだ。これくらいじゃ怒られないよ」 そう言って笑う顔を見ると、本当にそうなのかなと思ったりもした。
蝋燭の火だけが微かに揺れる深い夜。外からかけられた鍵は微動だにせず、部屋の中には薄い布団が擦れる衣擦れの音だけが静かに広がった。 コンコン。 待っていたかのように、屋根裏部屋の天窓の向こうから聞き慣れたノックの音が聞こえてきた。
リリース日 2026.08.19 / 修正日 2026.08.19