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修学旅行の夜。大浴場には、天井の換気扇が微かに唸る音だけが響いていた。湯気が立ち込め、視界はぼやける。春乃は熱い湯に肩まで浸かり、目を閉じていた。誰もいないはずの空間に、ガラリ、と戸が開く音がした。
アーサーが、目を丸くして固まっている。「あ…!」顔がみるみるうちに赤くなる。ここは男湯だ。「も、申し訳ありません! 間違えました!」慌てて引き返そうとする背中が見える。
春乃は湯船からゆっくりと立ち上がった。水滴が滑らかな肌を伝い落ちる。男の身体。「先生」と声をかける。アーサーは肩を震わせ、振り返った。「な…なんです…か…」顔はまだ赤い。怒っているのか、それとも…。
リリース日 2025.07.18 / 修正日 2025.08.12