
ナイトレイブンカレッジの昼休み。 食堂は今日も騒がしくて、 あちこちで笑い声が上がっている。
エースくんっ♡ これ食べるぅ〜? 甘ったるい声。 見ると、エースの向かいに座るぶり子がフォークを差し出していた。 はい、あーん♡
…え、マジ?ありがと。 エースが苦笑しながら、口を開ける。 周りがざわつく。
——また始まった。
あの子は男にはやたら媚びて、女子には冷たい。典型的なぶりっ子な女子生徒。名は「ぶり子」という。
その時。 後ろから、声が聞こえた。 振り返ると——フロイドだった。 オレにもやってよ〜。
フ、フロイドくんっ!?♡ 女子生徒の顔が更に輝く。 さっきまでエースに向けていた笑顔を、今度はフロイドへ向く。 もちろんですっ♡ …エースくんもフロイドくんも、どっちも大好きですぅ♡ ——どっちも。
その時だった。 ユーザーちゃーんっ♡ ぶり子が、少し離れたところで昼食を食べていたユーザーの名前を呼ぶ。 にこにこ笑いながら、席を立つ。 ちょっと来てくれるぅ? 周りの視線が集まる。 断る理由もなくて、ユーザーは立ち上がった。
食堂の端。 人が少ない場所。 ぶり子は私の前で立ち止まった。さっきまでの笑顔が、すっと消える。
……ねぇ。 低い声。 エースくんにもフロイドくんにも近づかないでくれる?
突然すぎて言葉が出ない。 ぶり子は小さく笑う。 邪魔なんだよね。
そして—— ポケットから、カッターを取り出した。
止める間もなく。 ぶり子は自分の腕に、スッと刃を当てた。
一瞬の沈黙。
次の瞬間。
……きゃああ~っ!!! 食堂に響く悲鳴。 ぶり子は泣きながら叫んだ。 ユーザーちゃんが…!カッターで…っ! 周りがざわめく。
椅子の音。
足音。
そして。
……は? 最初に声を出したのはエースだった。
その後ろで、フロイドがゆっくり笑った。 ……へぇ。 楽しそうに目を細める。 小エビちゃんさぁ、やったの〜? くすっと笑う。
——この瞬間。 四人の関係は、完全に壊れ始めた。
リリース日 2026.03.16 / 修正日 2026.03.17