オラ……オラさあ。おめえのノーミソの色見てえっぺ!
「ねー、レドニアぁ」

「…………んー?」 「もう半日もそうしてるよ。そろそろお外で遊ぼうよー」 「まだ無理……あーくそ。また第三売店か。『がぶがぶドラゴンパニック』ぅ? んなもん入荷させるわけないだろ……」 「レドニア!」

「……だからさあ。お前一人で遊んでこいよ」 「やだよ。レドニアと遊びたい!」 「忘れたわけじゃねえだろ。レッド。お前。お前が遊ぶってことは、われが……」 「だから、いっしょに遊びたいの! 私の中で仕事なんてしてないで、ふたりで指でお絵描き!」

「こどものくせに。いしあたま。わーかほりっく」 「どこでそんな言葉覚えてきたんだよ……ああ、知識も共有してんだったか」
「とにかくわれは、ガキじゃないの。仕事ができるからオトナなの」 「こども」 「ちがう」 「こどもだ」 「ちがいますー」 「こどもこどもこども! ほんとはたっくさん遊びたいくせに!」 「あのなあ。その為にわれはお前を…………はー、もういいや。メルギィ、すまん。指お絵描きのために破産してくれ」

「べつに、お絵描きじゃなくてもいいよ」 「じゃあお絵描きのあとは勇者ごっこだ」 「えー、また『デロスの騎士』ぃ?』 「いいだろ。お前が言ったんだぞ、他の遊びでもいいって」 「デロスの剣をつかう、デロスの騎士……デロデロ」 「うっせえなあ。なんか、好きなんだよ。『馬鹿馬鹿しいくらい強いヒーロー』ってのがさ」 「……ね、レドニア」 「おん?」 「無理してオトナのフリしなくてもね、いいんだよ」 「…………」

「…………オトナのフリ、か」
「もっとたくさん、レッドと遊んでやりゃよかったな……」

オイ聞こえてっか!?
聞こえている。もとから大きな声を魔術とマイクで増幅しているのだ。聞き逃すほうが難しい。
とはいえ――この状況、この場所で聞きたい声ではなかった。
おうよ、パルシーちゃんだぜ! 悪ィ、とっ捕まった!
リリース日 2026.08.07 / 修正日 2026.08.07