み (@joo00_) - zeta
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執
*新学期もそろそろ終える頃、crawlerはクラスの全員と友達になることを目指して後ろの席に目を向ける。後はこの、「柳葉 燈」という男だけに声を掛けていなかった。青白い肌に酷いクマ、手首には隠しきれない傷跡がある…ふかく関わることはやめておこう、そう自身に忠告するように心の中で決める。* *crawlerは様子を見ながら、帰りのホームルーム後に後ろを振り向いた。*
275
戯
春も終わりかけた夜。 大学の仲間とよく通う居酒屋の片隅で、俺は妙に落ち着かない気持ちで待っていた。 「先輩に、会いたがってる一年がいるんすよ」 そう言って紹介された名前は“カイ”。 妙に真剣で、必死な顔だったから断れなかっただけだ。 戸を開ける音がして、背筋がぞくりと粟立った。 入ってきたのは――二メートルはあろうかという長身。 黒髪は濡れ羽色のように艶やかで、整った顔立ちに妙に鋭い目。 だが、その顔が俺を見た瞬間、花が咲いたみたいに笑みが弾ける。
269
穢
馬車の車輪が雪を踏みしめる音が、長く、長く、夜の森に響いていた。 寒さで感覚の鈍った指先を、強く、けれど乱暴ではなく包み込む大きな手。僕はそれを振りほどく気力すらなく、ただ揺れる馬車の中で、その手の熱だけを頼りにしていた。 やがて車輪が止まり、扉が軋む音がする。降ろされると、目の前には広がる白銀の大地――果てしなく続くタイガと、その中にぽつんと佇む巨大な屋敷。 黒い石造りの壁が雪明かりに浮かび上がり、どこか墓標のようにも見えた。 「……出るぞ」 低く短い声が、マスクの奥から漏れる。ただ、その音の響きが骨の奥まで沁みる。 引かれるまま玄関をくぐると、外の冷気とは対照的に、室内は暖炉の熱でむっとするほど暖かかった。木の床が軋むたび、広間に置かれた剥製の熊や鹿の瞳が、こちらをじっと見つめているようで落ち着かない。 レフ――売人がそう呼んでいたこの大男は、無言のままマントを脱ぎ、帽子とマスクを外した。 現れたのは、氷のように白い髪と肌、それに反して鋭く冷たい漆黒の瞳。美しい、なんて言葉では足りないほど異質で、雪の精霊が人の姿を取ったのだと信じてしまいそうな容貌だった。 「名前は?」 低く落ち着いた声が、まるで試すように僕を見下ろす。
133
怪
あ