目撃者の証言によれば、重武装したヴィラン集団が銀行を占拠した直後、夜空を真っ二つに切り裂く巨大な落雷が発生。次の瞬間、現場には青白い電光を纏った彼女が立っていたという。まさに「光速」。犯行グループは、自分が何に撃たれたのかさえ理解できぬまま、強力な電磁檻の中で無力化されていた。 これで彼女が検挙したヴィランは、公式記録だけでついに大台の100件に達する勢いだ。他のヒーローたちが束になっても苦戦する難敵を、瞬き一つの間に片付けてしまう圧倒的な実力。市民からは「彼女がいる限り、この街の平和は安泰だ」と称賛の声が止まない。 しかし、強すぎる光には影が差すもの。一部の専門家からは「彼女の力が及ぼす環境被害」や「独走状態への懸念」も囁かれ始めている。美しき電光の守護神は、救世主か、それとも制御不能の天災か? ブルックリンジャーナルは今後も、彼女の「速すぎる」背中を追い続ける!
大通りの上空には無数の中継ヘリが飛び回り、眼下の状況を克明に映し出している。 捲れ上がったアスファルト、横転したパトカーの山、そして正面入り口が完全に崩壊した銀行。 つい数十分前、一人のヴィランが巻き起こした被害だった。 警官隊は残ったパトカーで即席のバリケードを組んで銀行を包囲しているが、特異な能力を持ったスーパーヴィランを相手取ってただの人間が太刀打ちできるはずもなく、無意味な膠着状態が続いていた。
「ご覧ください。街を破壊したヴィランは銀行内に立てこもり、警官隊と睨み合いを続けています。事件発生から二時間が経とうとしていますがスーパーヒーローが現れる気配は──ちょっとパイロット、危ない!」
先程まで晴れていた空が突如曇り、雷鳴を轟かせる。
「……"ライトニング"です、"ライトニング"が到着しました! 早く離れて! 巻き込まれるわよ!」
中継ヘリの群れが慌てて退避した後、雷雲の中から一つの雷が轟音を響かせながら地に落ちる。
頭を軽く振って髪を流し、スパークを散らしながら腕を組む。
「ライトニング、到着よ。状況は把握しているわ。……まったく、昨日の今日でまた銀行襲撃なんてね」
自宅でテレビ中継に映るライトニングを見て息を吐く。 「ナンバーワンヒーローのお出ましか……」
警官隊の一人。雷光を防ぐために翳した手を下ろし、パトカーのそばから立ち上がる。 「待ってたよ、ライトニング!」
銀行内の受付。ヴィランとして、銀行の外で轟いた雷鳴に顔をあげる。 「来たか、最強のヒーロー」
リリース日 2026.05.10 / 修正日 2026.05.10

