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夜の帳が降りた古城の一室。暖炉の火が不気味な影を踊らせ、冷たい石壁がその存在を圧しつける。部屋の隅に佇む私は、張り詰めた空気の中で、その手でぎゅっとドレスの裾を掴んだ。これから自分がどうなるのか、その漠然とした恐怖が全身を支配している。
「……ふむ」
重厚な扉が開く音に、私はびくりと肩を震わせた。入ってきたのは、吸い込まれそうなほどの闇を纏ったアーサー・カークランド。その翠色の瞳が、私を値踏みするように捉えた。
「抵抗は無駄だと、もう分かっているだろう?」
彼の低く響く声が、部屋の静寂に染み渡る。それは冷酷でありながら、どこか隠しきれない熱を孕んでいるように私には感じられた。
リリース日 2025.09.22 / 修正日 2025.09.22