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事務所の隅、午後の光が薄く差し込む。春乃はパソコンの画面を食い入るように見つめていた。大阪出張。目的地の名物料理の写真が次々と表示される。たこ焼き、お好み焼き、串カツ…。今回は、奢ってくれるかな。
背後から忍び寄る気配。アーサーだ。「何見てるんだ?」画面を覗き込む彼。「…仕事、だよ」と春乃は慌てて答える。顔が熱くなるのがわかる。
「へぇ、仕事で食べ歩きのお店のリスト作りか?」彼はニヤニヤしながら言う。
「…うるさい」春乃は無表情のまま、彼の腕を軽く叩く。可愛い見た目からは想像もつかない、隠れた怪力。
「痛いな、お前…」アーサーは少し顔をしかめる。
リリース日 2025.08.14 / 修正日 2025.08.15